2021.04.29 | 副業の始め方
U理論とはどのようなもの?U理論の効果や7つのプロセスをご紹介!
最近の世の中では、さまざまな組織で変革をもたらすためにU理論というものに注目が集まっています。もしかしたらこの単語を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、U理論がどのようなものなのか分からないという方も多くいらっしゃるでしょう。
そこで今回はそんなあなたのためにU理論がどのようなもので、どのような効果があるのかをご説明いたします。
U理論とはどのようなものなの?
U理論とはマサチューセッツ工科大学の講師であるC・オットー・シャーマー博士によって提唱された、様々な形態の組織で実践をすることができる、組織の変革のもたらす理論です。
U理論には以下のような4つの特徴があります。
- 様々な形態の組織で実践することができる
- 自分に本質的な変化をもたらす内容になっている
- 目に見えない変化をどう行動につなげるか体系化している
- 自分のことを認知しやすくなり、自分を変化させられる
- 自らが起点となっている問題の解決の糸口を示している
それぞれどのようなことなのかご説明いたします。
様々な形態の組織で実践することができる
組織での問題の解決に用いられることが多いU理論なのですが、組織の規模に関係なくこの理論を取り入れることができます。
例えばそれが個人だったとしてもこの理論は有効ですし、会社のような大規模な組織や、組織の枠を超えた社会にも応用を利かせることが可能です。
自分に本質的な変化をもたらす内容になっている
人間が何かを変えようと思った際にまず行動から変えようとしてしまいがちなのですが、それでは根本からの修正ができていないため最終的な解決にはなっていないことがほとんどです。
そのため、問題を根本から解決するには自らの内面を変化させていく必要があります。
U理論では行動など目に見えるようなことがらは内面によって生じるものであると定説されているので、U理論を用いることによって人を内面から変化させ、問題を根本からの解決に導くことが可能です。
目に見えない変化をどう行動につなげるか体系化している
内面を変化させる方法は様々なところで紹介されていますが、そのような変化をしっかりと行動に写して認知させるための方法というのはほとんどありませんでした。
しかし、U理論では内面の変化がどのように行われていき、それをどのように行動に移していくことがよいのかを説明されています。
そのため、今後自らがどのような行動を取っていけばよいのかを考えることにつながるでしょう。
自分のことを認知しやすくなり、自分を変化させられる
人間の内面の質の向上が行動などに影響をもたらすとされているU理論では、どんな場面でも内面の質を向上させられるように4つのレベルを定めています。
現在自分がどのレベルにいるのかを把握することによって、自分には今どのような変化が求められているのかを理解することが可能です。
こうして意識を変えようと気づくこともできますし、次のレベルにいくためにはどうすればよいかも解説されているので、変化を自ら起こせるようになることもあります。
自らが起点となっている問題の解決の糸口を示している
自らを客観視しなさいと言われてもなかなか難しいように、今発生してしまっている問題の原因が自分にもあるということに気づけない場合が多くあります。
しかし、いつまで経っても気づくことができなければ問題は悪化していってしまい、最終的には打つ手がなくなってしまうこともあるでしょう。
U理論では、自分も問題の当事者になっている可能性を示してくれるだけでなく、解決の糸口も示してくれるので様々な問題の解決にもつながります。
U理論がそれぞれの形態へもたらす効果とは
U理論では様々な組織に影響を与えるということをご説明いたしましたが、いったいどのような影響を与えるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
そんなあなたのために以下の5つの組織形態に分けて、どのような変化があるのかをご紹介いたします。
- 個人には意思決定の質があがるなどの効果がある
- ペアでは関係の改善や2人での作業の質をあげられる
- チームでは目指す方向性を合わせるなどができる
- 組織では違う部署などの対立の改善などが見込める
- 社会では様々な人の結束を促せる
それでは個別にどのようなことなのか確認していきましょう。
個人には意思決定の質があがるなどの効果がある
個人でU理論を実践すると自分がどのような人間なのかを明確に理解することができ、リーダーシップも発揮できるようになります。
それに加えてU理論で大切にしている内面の変化をさせるために、意思決定をするための能力を向上させることが可能です。
また、自分の内面を整理することもできるようになるため、ひらめきがよくなったりする傾向にもあります。
ペアでは関係の改善や2人での作業の質をあげられる
ペアで作業をしているとどうしても意見のぶつかり合いなどが生じることがありますよね。第三者がいれば間に入ってもらい、仲裁役としなってもらうこともできますが、2人だとそうもいきません。
そこでU理論を実践することで、内面を整えながら話をすることが可能になるなどして関係を改善することができます。
また、2人組みの行動はある程度パターン化されやすくなっていたりするのですが、U理論によって今までのパターンとは違う思考に至ることができるようになるため、更なる作業効率の改善も可能です。
チームでは目指す方向性を合わせるなどができる
チームで行動をしているとどこかで方向性がずれてしまい、目標が見えなくなってしまうことがあります。そこでU理論を用いるとチーム内での理解を深めることができ、団結力を高めることが可能です。
もちろんペアの時にあったような関係の改善もできるため、チーム内がバラバラになってしまうのを防ぎ、より関係を発展させることもできます。
また、U理論のプロセスをうまく利用することで、新たなプロジェクトに取り組む際にチーム内での試行錯誤のレベルをあげることもできるようになりますよ。
組織では違う部署などの対立の改善などが見込める
大きな組織になれば様々な役割を持った部署があるでしょう。そうなると部署間での対立も起こりがちなのですが、U理論の中で明示されていることにならって対話をすることで意思の疎通を図ることもでき、関係が改善されます。
また、組織のなかにいる様々な利害関係者たちの意見をプロセスに従ってうまくまとめることによって、全員の意識をまとめることができます。
そうすることによって社内での新たな事業への挑戦なども協力して取り組んでいくことができるようになるのです。
社会では様々な人の結束を促せる
社会でもU理論を用いると組織に似たように様々な価値観を持っている利害関係者たちへ、物事を自分のこととして捉えてもらえるようになります。
そのため、今まで関わることのできなかった異なる価値観を持つ人々とも協力することができ、新たな革新へとつなげることが可能です。
U理論の7つのプロセスをご紹介!
様々なメリットがあるU理論ですが、いったいどのようにして実践をしていくのか疑問に感じますよね。
U理論を実践するためには以下の7つのプロセスがあります。
- ダウンローディング
- 観る【Seeing】
- 感じ取る【Sensing】
- プレゼンシング
- 結晶化(Crystallizing)
- プロトタイピング(Prototyping)
- 実践(Performing)
それではU理論のプロセスを順番にご紹介いたしますので、是非ご覧ください。
1,ダウンローディング
過去の経験をもとに自らの意見を構築していき、その構築されている事柄に無意識にフォーカスしてしまっている状態です。
人間は経験したことから予測を立てて行動しているので、経験したことのない事態に陥ると、考えることができなくなるなどします。
そのためU理論では、まずは自分の経験から物事をどう考えているのか、どう捉えているのかを再現していく必要があります。
2,観る【Seeing】
ダウンローディングで行った頭の中で再現されたものではなく、目の前の光景に意識を集中させている状態が2番目のプロセスです。
この時点では過去の経験だけではなく、目の前にあるものもしっかりと考慮されている状態になります。
このプロセスは集中している状態になるため、話し合いの場だとお互いの意見が衝突しやすくなるでしょう。
3,感じ取る【Sensing】
これまでは過去の経験からの予測の含まれたプロセスになっていましたが、このプロセスは経験からではなく実際に今起きている事象から物事を感じとるというものになります。
今までの過去に捉われていた固定観念が一新され、新たな感覚を得ることのできるポイントです。そのため、プロセス2までよりも柔軟に周りの意見を取り入れられるようになっていきます。
ぶつかり合っていた意見なども認められるようになり、話し合いがさらに一段階進んでいく段階といえるでしょう。
4,プレゼンシング
今までのプロセスで行われてきた個人の内面的な部分からより発展し、周囲への影響を与えられるようになるのがこのステップです。
この段階に到達すると、様々な意見への共感ができたり、創造的なアイデアを生み出すことができたりするようになります。
リーダーとしての力が発揮できたりするようになったり、チームの一体感をより高められるようになるのはこのプロセスが一番大きいでしょう。
5,結晶化(Crystallizing)
プロセス4のプレゼンシングで得たものを言葉にしていく作業です。
プレゼンシングの段階ではまだ感覚的であり、イメージでしかなかったものを具体的に落とし込んでいき、より多くの人に理解してもらえるように言語化していく工程となっています。
6,プロトタイピング(Prototyping)
前のプロセスで具体的な言葉にしてきたものを実際に試作をするなどして試していきます。
この工程では形にしたものが本当に実用性があるのかなど分かっていないため、何度も作り直して思考を重ねていくことも大切です。
実際に形にしていくことになる部分のため、とても労力を要します。しかし、続けることでよりよいものを現実に作り上げることができるので、諦めないようにしましょう。
7,実践(Performing)
プロトライピングでたくさんの試行錯誤を重ねて完成されたものを実践し、広めていきましょう。
そうすることで周囲にも認知をしてもらうことができ、組織の中の構造の一部となったり、習慣となったりするのです。
こうして、様々な変革を組織の中にもたらすことができるということにつながります。
まとめ
U理論についてご理解いただけましたでしょうか?U理論は人間を内面から変化させる理論のため、思考の整理ができたりと日常生活にも役立ちます。
7つのプロセスによって自分を見つめ直すいい機会にもなるでしょう。
この記事を読んで、自らの行動を変えていきたいと感じた方は、U理論を実践し内面から自分を変えてみてはいかがでしょうか?