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2021.04.05 | 副業の始め方

副業禁止は絶対なの?会社の就業規則と法律の観点から解説します

近年では政府が、副業解禁の方向を示したことにより、会社でも副業が認められることも少しずつですが多くなってきています。

副業に挑戦してみたいという会社員の方でも、就業規則に副業禁止とある場合、その決まりを破ってまでコッソリと副業にするとなると、それなりのリスクを背負う必要があります。

そこで、「副業禁止の理由やバレた場合どのような処分が下されるのか」がポイント。

今回は、会社の就業規則と法律の観点から、副業するときの3つのポイントについてまとめてみました。

  • 副業禁止は「絶対」ではない
  • 正社員が副業で懲戒になる3つのケース
  • 副業にならない・バレないためのおすすめの仕事3選

最後に副業を始めようとしている方に向けて、よくある質問をまとめて解説したので、是非参考にしてください。

1.結論:副業禁止は「絶対」ではない

結論から言うと副業禁止は「絶対」ではなく、法律上禁止されていません。

日本では、仕事を終えた後は個人の自由時間として、副業は可能です。

以前は、法律で禁止されていないにも関わらず、本業に集中させるために副業を禁止している会社が多くありましたが、実は副業を禁止する法律は存在しないのです。

2018年1月に厚生労働省が作成した「副業、兼業の促進に関するガイドライン」では、「モデル就業規則」から副業禁止の規定が削除されました。

「許可なく他の会社等の業務に従事しない事」という労働者の遵守事項の規定がなくなったのです。

そして新たに設けられた章に副業についての条文が追加されました。

第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会
社は、これを禁止又は制限することができる。
1 労務提供上の支障がある場合

2 企業秘密が漏洩する場合

3 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

4 競業により、企業の利益を害する場合

引用:『モデル就業規則』より

この条文により副業解禁に踏み切る会社が増えてきました。

つまり、国としてダブルワークや副業は推奨されているのが事実です。

副業禁止の会社で副業をしても、違法にはならない

法律的な観点からいえば、仮に会社の就業規則において副業が禁じられていたとしても、法的な拘束力はないので、違法にはなりせん。

現行の憲法においては、職業の選択の自由について定められいるので、副業を禁止することは出来ません。

また、労働関連の法律でも副業に関する規定は特になく、就業時間外の余暇は自由にできるというのが労働関連の法律の見解。

むしろ、会社側が就業規則をはじめとして組織内の規定によって社員の副業を全面的に禁止することが、法律上許されないという見方が、時代と共に大勢となっています。

ただし、違法にはなりませんが就業規則で定められている以上、バレてしまうと減給や罰則、会社に居づらくなり自主退職というリスクがあります。

公務員の副業は、法律で禁止されている

公務員として仕事をしている方の副業は法律で禁止されており、原則副業禁止です。

国家公務員法で公務員の副業についての記載があり、要約すると公務員が副業できない3つの理由があります。

  • 信用失墜行為
  • 守秘義務
  • 職務専念の義務

詳しく説明していきますね。

公務員は一般人の生活に関わる仕事をしており、副業で業務に支障をきたしては一般人の生活を支える業務ができないことから、本業に集中するため。

また、公務員は一般人の個人情報を取り扱っているので副業によって情報が漏れたり、悪用されるのを未然に防ぐ必要があります。

会社員の場合と大差ないように思えますが、会社員と違うのは、 公務員は社会全体の奉仕者であり、自分の利益のために働く仕事でありません。

なので、副業で利益を得ることは職業倫理に反することになるのです。

公務員は職務を公平で中立な立場で職務を行うが求めらており、副業をすることで特定の業界に利益を与えていると思われてしまうのは、大きなマイナスでしょう。   

2.正社員が副業で懲戒になる3つのケース

副業を許可している会社が増えたと行っても、まだまだ禁止している会社の方が多いです。

副業禁止と就業規則が定められているにも関わらず副業が判明した場合、大抵の企業では、就業規則に則ってけん責処分や戒告(かいこく)などの懲戒処分を行います。

さらに悪質な場合や、会社が多くの損失を被った場合は、懲戒解雇される可能性も。

事実、会社の就業規則の拘束力については、実際の裁判でも判断が分かれることがあり、就業規則を違反を根拠とした懲戒処分が正当だとみなされたケースも多くあります。

特に副業で懲戒を受ける可能性があるケースとしては、以下の3つが有名です。

  • 本業に支障が出るかもしれないから
  • 本業の競合他社で副業をした
  • 本業の会社の損失につながった


それぞれについて、順番に詳しく解説していきます。

ケース1.本業に支障が出た

副業をするということは、それに時間と労力を割くことになり、本業に専念できず、次のようなリスクが考えられます。

  • FXや株の動向を頻繁にチェックするために、気を取られて本業の仕事に集中できなくなってしまう。
  • 勤務時間後に副業があるから、残業ができなくなる。
  • 徹夜して副業に専念してたばかりに遅刻や日中居眠りしてしまう。

過去の判例において、実際に長時間の副業のせいで明らかに本業に支障が出た場合、就業規則を根拠とした正社員の懲戒解雇を有効としたケースがあります。

ケース2.本業の競合他社で副業をした

副業に選ぶ仕事が、本業と競合にならないかを確認しておきましょう。

または、副業で競合になりうるような会社を立ち上げるような行為や同業他社で副業を行いは、本業の会社の利益を侵害します。

また、本業の社内での信頼や業務のためにも、職場内での人間関係につながるので同業他社での副業はやめておきましょう。

ケース3.本業の会社の損失につながった

副業をした際に、意図的でなかったとしても社内の情報が漏れてしまう可能性があります。

情報の漏洩は、どんな場合でも防ぎなければいけません。転職するときにも競合他社への転職は禁止されている場合もあるくらい、機密保持は重要。

社内の情報には、仕事を効率的に進めるための長年積み重ねたノウハウなどがあり、これらの情報が外部に漏れてしまうと、本業の会社の損失につながる可能性があります。

3.副業にならない・バレないためのおすすめの仕事3選

副業を行う場合は「本業に支障が出ないこと」「本業の就業時間外であること」が大切で、株投資などはその最たる例です。

副業禁止されていても、事業性が無く、副業とみなされにくいおすすめのお仕事3選を紹介していきます。

それぞれメリットデメリットがあるので、そこを踏まえながら解説していきますね。

(1)アフィリエイト

アフィリエイトは、簡単に言えば個人の広告代理店みたいなもので、副業でする場合は事業性は無いと判断されやすいです。

こちらは審査がありますがGoogleアドセンスを利用すれば、サイトに合った広告が自動的に表示されます。

また、マネートラックなどのASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)を利用して広告へのリンクを貼れることで、自分のブログを経由して商品が購入された際に報酬が発生します。

ゆくゆくは本業から移行したい方やデメリットが少ないので副業初心者にもおすすめ。

 

アフィリエイトのメイット

  • パソコンがあればすぐに始めることができる
  • 初期投資がほとんどない
  • 稼げる構築ができれば大きな収入が見込める
  • 執筆した記事は月日が経過しても見てもらうことができる
  • Webマーケティングスキルがつく

アフィリエイトのデメリット

  • 継続できないと収入化は難しい
  • 検索エンジンGoogleのアルゴリズムに依存する

(2)転売

転売とは商品を安く仕入れて高く売り、仕入れと販売の差額で稼ぐビジネスです。

転売での仕入れ先は国内と海外があり、国内だと早く仕入れることができて価格比較も容易に。

フリーマーケットやアプリでなどを使って、家にある不用品や資産を売る「転売」は、事業性は無いので副業とみなされません。

ただし、大量のものを仕入れて売るのには、事業性があるものとみなされることもあるので気をつけましょう。

特別な知識も必要なく、スマホでも稼げる手軽さからおすすめ。

 

転売のメリット

  • 趣味や特技が活かせる
  • アフィリエイトや資産運用と違い、即金性がある
  • 誰でも手軽に始めることができる

転売のデメリット

  • 運営がおろそかになりがち
  • 仕入れ、梱包、発送など作業数が多い
  • 在庫を抱える可能性がある

(3)株投資・FX

株やFX、外貨投資など個人での資産運用は、副業とみなされないのです。

自分が働くのではなく、お金自身に働いてもらうことでお金が増えていく、いわば「不労所得」という資産運用。

特にFXは外国で取引されるため、日本時間の深夜時間でも対応可能。そのため、日中働くサラリーマン向きといえるでしょう。

 

株投資・FXのメリット

  • 自分が働かなくてもお金を稼ぐことができる
  • インフレによる預貯金の目減りを回避できる
  • 税金や経済に関する知識を身につけることができる

株投資・FXのデメリット

  • 投資するものにもよるが、ある程度まとまったお金が必要
  • 元本割れの可能性がありリスクは大きい
  • 金融商品や資産運用について学ぶ必要がある
  • 日々値動きをチェックしなければいけない

4.副業についてよくあるQ&A

ここでは副業に興味がある方やこれから始めてみようと思っている方に向けての、副業の疑問についてそれぞれ解説していきます。

  • ダブルワーク禁止・バイト禁止との違いは?
  • 会社に内緒で副業しても大丈夫?

ダブルワーク禁止・バイト禁止との違いは?

結論から言うと、掛け持ちする雇用形態の違いです。

ダブルワーク禁止は「アルバイト+アルバイト」「業務委託+アルバイト」のような、非正規雇用のかけ持ちを禁止。

バイト禁止は「本業+アルバイト」「本業+業務委託」のような、正規雇用と非正規雇用の掛け持ち禁止。

ただ、明確な定義は無く、会社員がバイトしてもダブルワークという場合もあるので、そこまで気にしなくても大丈夫でしょう。

会社に内緒で副業しても大丈夫?

「正社員の副業は法律上禁止されていない」と先ほど紹介した通り、会社に内緒で副業は法律上は問題ありませんが、副業をしていいかどうかは本業の会社判断になります。

就業規則で禁止されていても違法ではありませんが、会社にバレた場合はより重い処分が下される可能性もあります。

また、派遣やアルバイトは体力が必要な場合が多く、本業にも支障が出やすいため、バレてしまうリスクは高いでしょう。

就業規則も一応確認しておこう

下手すると副業で得た収入より大きな損失につながる可能性あります。

会社によって就業規則が異なり、許可性のところもあるので、事前に就業規則を確認することは必須でしょう。

副業をする上でもっとも重要なのは、本業をおろそかにしないことです。副業をする目的や金額を明確にして、どうすれば安全に副業に専念できるか自分なりに調べてみることをおすすめします。

まとめ

今回は、副業禁止の理由や懲戒になるケースについて解説しました。

副業は法律で禁止されている訳ではありませんが、会社の一員である以上は、現在働いている会社のことを第一に考えなければなりません。

今回紹介した「副業にならない・バレないためのおすすめのお仕事」は、自分のスキルや働き方に合わせて選ぶのも良いですが、自分がやってみたいと意思が強いものを一番おすすめします。

今は副業禁止でも働き方改革により、副業が推進され、会社側・被雇用者側としてもメリットを感じている方は増えれば、今後副業を解禁する会社が増えてくること間違いありません。

また、副業が就業規則で禁止されている場合で、どうしても副業がしたいという方は、いざというとき会社から副業を理由とした罰則や懲戒処分受けた際に、どう対処すべきかを知っておきましょう。

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