2021.04.30 | 副業の始め方
DTPオペレーターとはどのような職業?仕事内容や作業の流れについてご紹介
派遣や子育て中の主婦にも人気のDTPオペレーターは、女性の技術職として人気の職業です。
本稿では、DTPオペレーターに興味を持っている人に向けて、具体的な仕事内容や、必要なスキル、年収、オペレーターからのステップアップなどを紹介します。
DTPオペレーターとして働きたい、スクールに行ってみたいと考えている人は要チェックです!
DTPオペレーターってなに?
DTP=Desktop Publishing(デスクトップ・パブリッシング)とは、パソコンを使って出版作業を行うこと。
DTPオペレーターは、その作業をする人です。
出版物には、チラシや雑誌、書籍、ポスターなど、さまざまなものがあります。自分の手掛けたものが印刷物として形になるのは、とてもやりがいを感じる仕事と言えるでしょう。
DTPオペレーターの仕事内容とは
出版物は印刷するもの。そして印刷するためには、ルール・フォーマットに沿っていなければいけません。DTPオペレーターは、ルールに沿った内容で、見やすい印刷データを作成するのが仕事です。
それ故に、オペレーターは、DTPのルールはもちろん、フォントの知識や、DTPに必要なソフトの操作を熟知しておく必要があります。
チラシや雑誌広告など、印刷物を目にしない日はありません。それを1つ1つデータとして手掛け、世の中に送り出しているのがDTPオペレーターなのです。
デザイナーとは違うの?
デザイナーはデザインをするのが仕事。DTPオペレーターが活躍するのは、そのデザインの後です。デザイン案にしたがって、レイアウトを組み、印刷用のデータを作りあげます。
ただし、会社によってはDTPオペレーターとデザイナーの境界が曖昧だったりもするので要注意。パソコン操作は好きだけど、デザインはちょっと…という人は、求人の際に必ず確認しましょう。
デザインもしながら、オペレーター業務も一貫してできる人材は、即戦力として期待されます。
DTPオペレーターが使用するソフトとは
DTPオペレーターとして働く上で、身に着けておきたい必須ソフトは3つ。どれもAdobe社の有名なソフトです。
どれもなかなか高価なソフトですが、学生向けのアカデミックパッケージでは安く購入できます。専門学校生や大学生は安く購入できるため、独学で身に着けてお小遣い稼ぎをする人も。
この他にも、会社によっては独自のソフトを導入していたり、予算の関係であえて古いバージョンのソフトのまま利用していることもあります。
文字のレイアウトやイラストを編集できるIllustrator
Adobe Illustratorは、1枚もののチラシやポスターの印刷データ作成に必要です。通称「イラレ」と呼ばれています。
レイアウトを組み、画像配置、文字を流し込む、文字間の細かい調整をするのもこのソフトです。
バージョンごとに機能がアップしていますが、金銭的な問題もあって、古い印刷会社では、古いバージョン用を使い続けているところもあります。
画像の調整や編集を行えるPhotoshop
Illustratorに入れる写真画像を調整するのが、Adobe社の画像編集ソフトPhotoshop(フォトショップ)です。通称「フォトショ」と呼ばれています。
暗い写真を明るくしたり、人物のシミ・しわを消す作業、写真画像にキラキラのエフェクトをつけたり、ぼかしたりなどの効果をつけることができます。
使い方によってはとても高度な表現ができるため、使い手によって完成度も大きく違うのが特徴。グラフィックデザイナーはさまざまなエフェクトを使いこなして芸術作品を生み出しています。
書籍などページものを作成できるInDesign
雑誌や書籍などの、「ページもの」と呼ばれる印刷物を作る際に使われるのがInDesign(インデザイン)です。
印刷する書籍の他、チラシや電子書籍のページデザイン・レイアウト設計まで対応。
会社によっては、Quark社のQuarkXPressというソフトを採用しているところもあります。チラシのデザインに特化している会社では、このInDesignは使っていません。
DTPオペレーターの作業の流れ
DTPオペレーターを考えている人なら、当然実際に働き方が知りたいですよね。
では、実際にDTPオペレーターがどんな作業をしているのか、チェックしていきましょう。
雛形を作成し、原稿を入力する
建築で骨組みが大切なのと同じく、最初の雛形(レイアウト)の作成はとても重要です。
文字を入れる場所、画像の配置する場所を決め、レイアウトを作ってから、画像・文字を入れていきます。
レイアウトが甘いと、その後仕様変更が入った際、修正に非常に時間がかかるため、経験と見極めが必要なります。
レイアウトの調整や修正を行う
僅かな色の違いや、ミリ単位での細かい調整をかける作業も必須です。
写真のトリミングやキャッチコピーが被る場所が数ミリ違うだけで、デザインの良し悪しが変わります。
キャッチコピーや見出しの文字同士の間隔を調整し、読みやすくする作業も重要。印刷物として美しく見えるよう、プロの調整をかけていきます。
校正と修正を繰り返す
印刷データが出来上がっても、これで完成となることはほぼありません。
依頼元やデザイナーに確認してもらい、何度も修正をかけることになります。商品の売れ方やイメージに直接影響するので、重要な仕事です。
文章・キャッチコピーが変更になったり、画像の差し替え、文字色を変えたいなど、さまざまな注文にも柔軟に、スピーディに応えていくのがDTPオペレーターの仕事です。
修正箇所がなくなったら納品をする
何度も構成・修正を重ねて、ようやく入稿データが完成となります。
印刷業界は納期がタイトなことも多く、スピードも求められる作業です。
ショートカットキーを覚えたり、ルーチン作業になるものはバッチ処理(複数の処理を簡単に行う自動化ツール)の設定を作っておくなど、自分なりの時短のテクニックを覚えておくと良いでしょう。
DTPオペレーターの平均年収は?
求人サイトの調査によると、DTPオペレーターの平均年収は300万程度。
今はDTPのスクールも多く、未経験者でも気軽に目指すことができる仕事です。DTPオペレーターから、webに転向したり、デザイナーやディレクターへとステップアップすることで、年収アップをはかる人もいます。
DTPオペレーターにはどんな人が向いているの?
書籍や印刷物など、DTPオペレーターが手掛けたものを見ない日はありません。
クリエイティブ業界の入門たるDTPオペレーターは、どんなタイプが向いているのでしょうか。
細かい部分まで目を通せる人
最初のレイアウトの出来によって、その後の進行が大きく変わります。
クライアント、デザイナーの要望を汲み取って、その後に発生するであろう修正作業も考慮に入れながら、効率的に雛形を作る能力が必要になります。
出版ルールに従い、禁則処理や文字詰めなどの作業も必要なので、細かい部分まで目を通せる人が向いています。
パソコンの操作が得意または好きな人
オペレーターはパソコンでの作業が基本。パソコンの前に長時間座っていられる人が絶対要件です。
また、ショートカットキーやソフト独自の機能を使いこなすことで、時短やスキルアップに繋がるため、パソコン操作が好きな人ほど伸びていくでしょう。
集中して作業のできる人
クライアントによっては、ギリギリの納期で依頼してくることも。
チラシの文字に間違いがあったり、変なところで自動改行されていては、読む人もイメージダウンですよね。
この確認作業も含め、納期前には長時間集中しての作業が必須となります。
自分でスキルを磨いてデザイナーに転職も可能
DTPオペレーターは、あくまでクリエイティブ業界のほんの入り口。
オペレーター業務をこなしていくうちに、「自分でデザインしてみたい」「自分だったらこんな表現にするのに」と思うこともあるでしょう。
ここからweb業界に転向したり、デザイナーや、コピーライター、進行管理するディレクターへとステップアップする人も。さらに、デザイナーとして独立し、フリーランスで活躍する道もあります。
まとめ
今回はDTPオペレーターの仕事の内容をご紹介いたしました。
- DTPオペレーターとは、パソコンを使って出版データを作る職業。
- DTPソフトを使い、効率的に仕事を進める。
- オペレーターからデザイナー、クリエイターへとステップアップの道もある。
DTPオペレーターはスクールも多く、全くの未経験からスタートも可能な仕事。結婚・育児で一度仕事を引退した女性や派遣でも人気です。
また、近年DTPのクラウドワーカーも増えているため、在宅ワークの求人も多く、パラレルワークとしてもおすすめです。